中国人・団体著者名典拠データの表記の相違 : 中国, 日本, 韓国を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • チュウゴクジン・ダンタイ チョシャメイ テンキョ データ ノ ヒョウキ ノ ソウイ : チュウゴク, ニホン, カンコク オ チュウシン ニ
  • Chugokujin dantai choshamei tenkyo deta no hyoki no soi : Chugoku, Nihon, Kankoku o chushin ni
  • Differences in descriptions of Chinese personal and corporate name authority data : a comparison between China, Japan and South Korea

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抄録

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【目的】日本を含む漢字文化圏の国々では, 1 つの著者名に対して多様な表記が存在する。欧米における著者名典拠データ共有の場面では, 漢字文化圏の表記の複雑さが理論的に反映されていないため, 漢字文化圏特有の事情をふまえた典拠情報の共有については, 漢字文化圏の中で詳細に検討すべきである。本研究の目的は, 中国人・団体著者名の中国, 日本, 韓国における表記を比較し, 相違点を発見して, 典拠データ共有のための課題を整理することである。 【方法】まず, 中国, 日本, 韓国における典拠コントロールの状況を概観し, 中国人・団体著者名典拠データ作成を行っている機関を研究対象として選出した。次に, 機関によって多様性があると考えられる表記上の項目として, ①漢字形の文字種, ②ローマ字形の種類と扱い, ③姓名の分かちとカンマの有無, ④中国以外の地域における現地語(カナヨミ, ハングルヨミ)表記の有無と方法, を設定した。そして, 研究対象とした各典拠データベース作成機関で中国人・団体著者名典拠データを作成するために使用しているマニュアル, 実際のデータの一部, 事例報告等の資料を収集し, 収集した資料を用いて, 各典拠データの項目①から④の状況を比較し, 各典拠データの相違点から, 漢字文化圏における中国人・団体著者名典拠データ共有に際しての課題を整理した。 【結果】①各機関が使用している漢字形の文字種にはばらつきがある, ②ローマ字形は全機関が漢語ピンインを採用しているが, 漢語ピンインの記述方法に相違点が見られる, ③漢字形の姓名の分かちは日本を除くほとんどの機関が行っていないが, 多くの機関がローマ字形にはカンマを使用している, ④日本ではカナヨミ形は必須, 韓国では漢字の韓国語読みハングル表記または漢語ピンインの韓国語読みハングル表記が記述されていることが明らかとなり, 漢語ピンインの記述方法や異体字の扱いなどに課題が見られた。

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