米国の新規株式公開市場に関する諸学説の再検討

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タイトル別名
  • The History of Economic Thought in the Field of Initial Public Offerings in the United States
  • ベイコク ノ シンキ カブシキ コウカイ シジョウ ニ カンスル ショ ガクセツ ノ サイケントウ

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抄録

金融経済学における最近の研究分野の一つとして、新規株式公開市場が注目されつつある。効率的な資金調達の実現をめざすベンチャー企業も含めた中小企業が、いかなる株式市場の現状に直面しなければならないかを、そして金融市場への理想的な政策とはなにかを解明することが、本研究分野の役割であると考えられる。本稿の目的は、諸学説の変遷を辿り、学説史上の年代区分をIbbotson, R.G.(1975)とRitter, J.R.(1991)- Loughran,T.(1993)を基準に区切るよう提案することである。なぜなら、このように区分することによって、本研究分野の課題や問題点が浮き彫りになるであろうと考えるからである。本稿は、本分野の先行研究がIbbotson, R.G.(1975)とRitter, J.R.(1991)- Loughran,T.(1993)の影響をやや強く受けてきた経緯を纏めており、今後はこれまで論点を置いてきた「公募価格のアンダープライシング」や「新規公開株式の長期のアンダーパフォーマンス」の枠組みに捉われない研究が成立しうるであろうことを主張している。

収録刊行物

  • 經濟學研究

    經濟學研究 53 (4), 113-126, 2004-03-09

    北海道大学大学院経済学研究科

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