古典的有限次元財空間経済モデルにおける競争均衡の存在定理について : Nikaido(1956, 57)を中心にして

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抄録

本論文では、Nikaido(1956, 57)において扱われた、古典的有限次元財空間経済モデルにおける競争均衡の存在定理を取り上げ、それらの内容を再考する。Nikaido(1956)では純粋交換経済やレオンティエフ型世界経済における競争均衡の存在定理を、角谷の不動点定理から導かれたゲール・二階堂の補題に基づいて証明した。この純粋交換経済では、各消費者は非負象限を消費集合として持ってその初期保有点として全ての財を保有するという、また、レオンティエフ型世界経済では、各国が非負象限を消費集合として持って全ての財を生産できるという、かな強い条件が課されていた。その補足的な論文であるNikaido(1957)では、消費集合はそのままにして、純粋交換経済では各消費者が初期保有点として一部の財のみ保有して、全体では全ての財を保有するという、また、レオンティエフ型世界経済では、各国が一部の財を生産でき、世界全体では全ての財を生産できるという、より一般的な状況において競争均衡の存在定理を示した。そこでは、価格集合全体での需要対応のグラフが閉になるとは限らないので、純粋交換経済では各消費者の所得が正になる、または、レオンティエフ型世界経済では各国の所得が正になる価格集合を考えて、このような価格集合上に制限した需要対応のグラフの閉凸包から、全価格集合上の新たな需考対応を構成して、Nikaido(1956)の不動点を用いた議論を適用して、元経済の競争均衡の存在を示した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050001339024251904
  • HANDLE
    2115/67612
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB

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