ラットの早期離乳による成熟後の不安傾向の増大 : n-3 不飽和脂肪酸濃度に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Lower concentration of n-3 polyunsaturated fatty acids in early weaned rats at 10 weeks : higher anxiety levels may be caused by malnutrition during weaning
  • ラット ノ ソウキ リニュウ ニ ヨル セイジュク ゴ ノ フアン ケイコウ ノ ゾウダイ : n-3 フホウワ シボウサン ノウド ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

早期離乳により成熟後のラットの不安傾向が増加することが知られている。本研究では,早期離乳に関わる様々な要因の中でも栄養的側面に着目し,早期離乳に伴い n-3 不飽和脂肪酸が低下するのか,さらに n-3 不飽和脂肪酸を補うことで不安傾向が軽減されるのかについて検討した。対象は 63 頭の Wistar-Imamichi ラットであり,通常離乳群(CT 群),早期離乳群(EW 群),サプリメント群(SP 群)の 3 群から成る。CT 群のラットは 21 日齢,EW 群と SP 群のラットは 15 日齢で離乳,さらに SP 群のラットには離乳後の 5 日間に n-3 不飽和脂肪酸を主成分とするサプリメントを餌に混ぜて与えた。3 群ともに 10 週齢に達した時点で驚愕反応を指標として用い不安傾向を測定し,同時にロータロッド・テストにより協調運動機能について検討した。血中脂肪酸濃度は 3 週齢,5 週齢,10 週齢の時点で測定した。実験の結果,EW 群,SP 群のラットは,CT 群のラットよりも不安傾向が増大し,EW 群のオスにおいては協調運動機能の低下が確認された。また,血中脂肪酸の解析結果からは,早期離乳したラットの n-3 不飽和脂肪酸が成熟後に至るまで低下することが明らかになった。一方,EW 群と SP 群との間に,不安傾向の顕著な差は認められなかった。今後は n-3 不飽和脂肪酸の投与量や投与期間を増加させて検討を重ねる必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ