「社会的な遊び」概念についての考察 : 保姆坂内ミツの子どもの遊びへの視点(1924~1937年)

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Concept of “The Young Children’s Social Play” : The View of Kindergarten Teacher Mitsu Bannai in Before WW the Ⅱ.(1924-1937)
  • 「 シャカイテキ ナ アソビ 」 ガイネン ニ ツイテ ノ コウサツ : ホボザカ ナイ ミツ ノ コドモ ノ アソビ エ ノ シテン(1924~1937ネン)
  • 「シャカイテキナ アソビ」 ガイネン ニツイテノ コウサツ : ホボ バンナイ ミツ ノ コドモ ノ アソビ エノ シテン (1924~1937ネン)

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抄録

坂内ミツは、著作「幼児の遊びと導き方」(1937)において、4、5歳から8、9歳までをも対象とした子どもの遊びを、「体育方面の遊び」「室内の遊び」「年中行事と遊び」「社会的な遊び」の項目に分類し、それぞれの遊びについてその導き方(遊びを見る視点と注意事項)について述べている。本研究は、昭和戦前期における坂内の「社会的な遊び」の概念形成の過程を辿り、「社会的な遊び」が意味する内容について考察するものである。坂内が、「一人では遊べない。幾人か心を合わせて遊ぶのでなければ遊べない遊び」と定義した「社会的な遊び」の概念は、関東大震災後における子どもたちにとっての外遊び環境復興への切実な期待と、子どもの遊びと遊ぶ子どもたちの育ちへ向けた深い観察眼によって形成されたと言える。また、坂内がいう「社会的な遊び」とは、室内室外を問わない遊びであり、社会へ向けての興味関心が育ちつつある子どもたちによって遊ばれる社会を営む大人の姿や仕事を模した遊びであること、加えて、大人を模して遊ぶ中で、さらに社会人としての芽生えが育まれ、社会の仕組みを理解していく、7、8、9歳位の子どもが最も楽しんで遊ぶ遊びであると結論付けることができた。尚、本文中の旧仮名遣い及び旧字体は、新仮名遣い、新字体で表記し、下線は筆者が付した。

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