英国人外交官W.G.アストンが高く評価した貝原益軒の道徳教育論の特質 : "A HISTORY OF JAPANESE LITERATURE"を資料として

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タイトル別名
  • エイコクジン ガイコウカン W.G. アストン ガ タカク ヒョウカシタ カイバラ エキケン ノ ドウトク キョウイクロン ノ トクシツ : "A HISTORY OF JAPANESE LITERATURE" オ シリョウ トシテ

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抄録

英国人外交官W. G.アストンが“A HISTORY OF JAPANESE LITERATURE”『日本文学史』において,貝原益軒の道徳教育論を高く評価している.益軒の儒者としての側面よりも道徳教育論の著者としての側面に着目し,郷里の筑前国をはじめ広く我が国の道徳教育に大きく貢献したことを論じている.アストンが指摘した益軒の質の高い道徳教育論は,いかなる儒学理解から生み出されたのかを明らかにするために,益軒の儒学研鑽の歩みを精査した.その結果,儒学への志は仲兄存斎の影響により仏教を棄てることから始まった.その後,陽明学を排し,遂には朱子学をも疑うようになったのは,そこに仏教の影響が見られたからであった.こうして純粋に儒学の研鑽に生きることを信条とした益軒の畢生の仕事は,儒学の易簡性を拠り所として児童や庶民のために,人としての在り方を教える道徳教育論を書き著すことであった.

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