大動脈弓最終枝としての右鎖骨下動脈の一例

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  • An Anomalous Case of the Right Subclavian Artery as the Last Branch of the Aortic Arch

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新潟大学歯学部1982年度解剖実習中,71歳女性屍体で大動脈弓の最終枝としで起る右鎖骨下動脈の破格症例に遭遇した。大動脈弓の形状は正常であったが,弓から起る大分枝の分岐形式は右から順次双頸動脈幹,左鎖骨下動脈,右鎖骨下動脈を区別する3幹型であった。分岐破格の右鎖骨下動脈は食道後部に位置し,左右の椎骨動脈は各々左右の鎖骨下動脈から起り,第VI横突孔に入り正常の走行を示した。反回神経は左側は正常,右側は認められず,下喉頭神経が迷走神経から分かれて直走していた。胸管は正常な走行を示していた。以上の所見から,この破格はAdachiのG型,Holtzapfelの第2図型,Williams et al,中川らのH型に属し,さらに椎骨動脈分岐所見を加味してこの症例と一致する破格例を検索すると,本邦では島田・足立(1924)の第一報症例から数えて第17症例であった。

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