大腸癌に対する腹腔鏡下手術導入時の術後合併症の検討

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タイトル別名
  • ダイチョウ ガン ニ タイスル フククウキョウカ シュジュツ ドウニュウジ ノ ジュツゴ ガッペイショウ ノ ケントウ
  • The Postoperative Complication of Laparoscopic-assisted Colectomy for Colorectal Cancer

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説明

【はじめに】 大腸癌治療として腹腔鏡下手術が適しているか否かの判断としての短期成績を検討するため, 導入後100例における開腹移行要図と術後合併症を検討した. 【対象と方法】1998年に第1例日を行ない, 2005年より本格的導入を検討し, 2009年64月に100例となった. 50例目までを前期群, 51例目以降を後期群とし導入後の変化を比較した. 開腹創長7cm以上を開腹移行群とし移行要因を検討した. 創長7cm未満は小開腹群とした. 合併症は, 処置を必要としたものか特殊な薬剤を使用したものとした. 手術部位感染 (以下SSI) 部位は, 浅部切開部, 深部切開部, 臓器・体腔に分類した. 【結果】 前期群と比較した後期群の相違は, 期間の長さが1年1ヵ月と短く, 開腹移行数が減少していた. また, 平均年齢が4歳高く, S状結腸癌や横行結腸癌の割合と進行癌が増加していた. 開腹移行要因は, 患者側要因が11例と最も多く, 肥満が6例, 術後癒着が4例, 肝硬変が1例であった. 技術的要因は5例で, 前期群のみであった. 腫瘍側要因は4例で, 前期群と後期群で2例ずつであった. 術後合併症は13例で, SSIが9例, 腸閉塞症が3例, 深部静脈血栓症 (以下VTE) が1例であった. 前期群が7例, 後期群が6例とほぼ同じ合併症数であり, 合併症による死亡例はなかった. SSIの部位は, 浅部切開部が6例, 深部切開部が1例, 臓器・体腔が2例であった. 創感染は前期の3例に対し後期が4例と増加していた. 臓器・体腔はドレーン逆行性感染と上部直腸癌の術後縫合不全であり, いずれも前期群であった. 腸閉塞症は腸管癒着が2例と内ヘルニアが1例であり, 全例再手術を必要とした. 開腹創別の合併症数は, 小開腹群が9例, 開腹移行群が3例であった. 小開腹群はSSI6例と腸閉塞症3例で, BMIが26以下であった. 開腹移行群は浅部切開部SSI2例とVTE1例で, BMIが28以上の高度肥満であった. 【結語】 導入初期は技術的要因による開腹移行率が高いが, 合併症の発症率は他施設とほぼ差がなかった.

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