暑熱下におけるアスタキサンチン含有ファフィア酵母給与が「阿波尾鶏」種卵の生産性に及ぼす影響

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  • ショネツ カ ニ オケル アスタキサンチン ガンユウ ファフィア コウボ キュウヨ ガ 「 アワ ビ ケイ 」 シュラン ノ セイサンセイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

鶏は暑熱負荷に弱く,暑熱期に繁殖能力を下げない夏場対策は,徳島県の特産ブランド地鶏「阿波尾鶏」の生産安定化に向けて,対応が必要な課題の一つである。暑熱ストレスを酸化ストレスの緩和により抑制することを目的に,「阿波尾鶏」種鶏に対して,抗酸化作用の強いアスタキサンチン(Asx)を飼料中Asx濃度で10ppmとして混飼給与し,種卵生産性等に及ぼす影響を調査した。その結果,暑熱下に現れる飼料摂取量の減少はみられず,体重及び卵重は給与区で高く維持される傾向がみられた。雄の精液性状においても,有意な差ではなかったが,精子数及び精子生存指数とも給与区で上回る傾向がみられた。また,明らかな給与効果として,給与中,産卵率の低下が抑制された(p<0.05)。くわえて,飼料給与後11日目以降に得られた鶏卵を温度13℃において0,1,2,3又は4週間貯卵した結果,発育卵率を落とさずに,貯卵可能期間を少なくとも4週間まで延長できることが明らかになった。なお,酸化ストレスマーカーとして測定した卵黄中TBARS値に有意な影響はみられなかった。以上のことから,暑熱期の種鶏に対するAsx飼料の給与は,栄養状態に悪影響を及ぼすことなく,繁殖成績,特に産卵率の改善に有効であるとともに,通常の貯蔵条件下で貯卵期間を延長した種卵の孵化成績低下を軽減する可能性が示唆された。

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