那須町森林組合における皆伐作業の採算性の検討

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  • Examining the profitability of clear cutting operations in Nasu Forest Owners' Co-operative, Tochigi Prefecture
  • ナスマチ シンリン クミアイ ニ オケル カイバツサギョウ ノ サイサンセイ ノ ケントウ

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抄録

本研究では,那須町森林組合で行われた皆伐作業の時間観測調査を行い,既往の間伐作業との生産性およびコストの比較を行った。その結果,皆伐作業により生産性が向上し,コストが低減することが示された。皆伐作業については,中傾斜地よりも緩傾斜地の生産性が高く,コストは低かった。チェーンソー伐倒では伐倒した材の幹折れを防ぎ,木寄せ作業をスムーズに行うために,切株の切り下げが行われた。グラップルについては地拵え作業の一環として枝条整理が行われた。胸高直径40cm程度以上の材についてはチェーンソーによる造材作業を行っており,今後,材の径級が大きくなることで,造材作業の生産性の低下が予想された。直送を行うため,フォワーダ搬出作業では重量で取引を行うパルプ材以外の末口径が計測された。また,直送を加味した場合のコストについても試算し,2者協定の可能性を検討した。その結果,直送を広く進めることにより,2者協定で必要となる1,000円/m3以上のコスト削減を達成することができることが分かった。最後に,15年目までの再造林費用も試算したが,中傾斜地,緩傾斜地ともに収支はプラスとなり,持続的な林業経営が可能であることが確認された。

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