日本とデンマークの高齢者ケアシステムの国際比較 ―デンマークの特異性に着目して―

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タイトル別名
  • Comparison of the Care Systems for the Elderly between Japan and Denmark: Focused on Specificity of the Danish System
  • ニホン ト デンマーク ノ コウレイシャ ケア システム ノ コクサイ ヒカク : デンマーク ノ トクイセイ ニ チャクモク シテ

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抄録

超高齢化社会の日本で構築が進められている地域包括ケアシステムは, 構成要素が相互に連携しあうシステムではなく, 情報を共有するネットワークに過ぎない.自治体や地域がそれぞれの地域包括ケアシステムを進めていく中で地域差が生じている. 一方で, デンマークにはシステムとして機能している高齢者毛システムが存在している.そこで, 本研究の目的は、日本の地域包括ケアシステムとデンマークの高齢者ケアシステムを成立させている構成要素を比較して日本とデンマークに共通する普遍的な要素と日本にはないデンマークの特異な要素を見出し, デンマークの特異な要素の日本のシステムへの有効性を見出すことでる.  日本とデンマークの全体のシステムと大牟田市とミドルファート市を比較することで、デンマークの高齢者ケアシステムをシステムとして機能させている特異性として、①医療と福祉の連携, ②自治体の財源, ③高齢者主体の活動,を見出した.地域の実情を知った自治体が財源を持ち, サービスを統御し, 医療と介護の連携を実現させて「システム」として機能させる.そこに, フォーマルサービスでは補いきれない部分を高齢者主体のボランティア活動が補う.こうしたデンマークのモデルは日本の地域包括ケアシステムの今後のあり方の参考となるはずである.

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