徳島県の農耕地土壌の実態とその変化(2)

書誌事項

タイトル別名
  • Status and change of properties of cultivated soil in last thirty years in Tokushima Prefecture
  • 徳島県の農耕地土壌の実態とその変化(第2報)
  • トクシマケン ノ ノウコウチ ドジョウ ノ ジッタイ ト ソノ ヘンカ(ダイ2ホウ)

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説明

徳島県内の農耕地土壌の理化学性調査および肥培管理の聞き取り調査を1979年から2008年の30年間,5年ごとに行い,本県農耕地土壌の実態とその変化を地目別,作物別に明らかにした。土壌中の交換性加里含量は,調査開始時からみられた蓄積傾向が一転し,2000年頃からすべての地目で減少傾向であり,加里施肥量の減少が原因の一つと考えられる。土壌中の可給態リン酸含量は,水田,普通畑では調査開始時から増加傾向であったが,2005年頃から減少に転じ,樹園地では1990年頃から減少傾向であり,これはリン酸施肥量の減少によるものと考えられる。なお,2005年頃の全地目の可給態リン酸含量は,依然として診断基準値の上限を上回った。水田地目では,可給態ケイ酸含量は減少傾向であり,遊離酸化鉄濃度は1990年頃に減少した後,2000年頃に増加したが,両成分とも診断基準の下限値未満であった。以上のことから,今後も適正な有機物施用による土づくりの推進とともに,土壌診断に基づいたリン酸の減肥,水田への鉄,ケイ酸の補給,塩基バランス,家畜糞たい肥由来成分等を考慮した肥培管理が重要である。

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