閉鎖型離乳豚舎内の空気中微生物濃度とエアロゾル濃度の関係

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タイトル別名
  • Relationship between aerosol concentration and airborne microbe concentration in enclosed weaning houses
  • ヘイサガタ リニュウ トンシャ ナイ ノ クウキ チュウ ビセイブツ ノウド ト エアロゾル ノウド ノ カンケイ

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抄録

家畜感染症の発生は畜産業だけではなく地域経済全体に被害を及ぼす。安全な畜産物を生産するうえでも農場のバイオセキュリティーレベルを上げる必要があり,疾病リスク低減のために畜舎内微生物濃度をできるだけ低くする必要がある。そこで,病原性微生物を媒介し,かつリアルタイムで測定可能であるエアロゾルを指標とした空気中微生物濃度の推定法の開発を目指して,閉鎖型離乳豚舎内のエアロゾル濃度と空気中微生物濃度の関係を調査した。また,豚の主要な病原性微生物である豚サーコウイルスII型(PCV2)と豚繁殖・呼吸器障害症候群ウイルス(PRRSV)の遺伝子定量化解析により,エアロゾル濃度と病原性微生物濃度の関係を明らかにした。その結果,エアロゾル濃度と空気中一般生菌数には相関が認められ,特に粒径5.0μm以上のエアロゾルと正の強い相関が見られた。また,病原性微生物のPCV2は試験期間中いずれの検体においても検出限界以下であった。一方,全粒径のエアロゾル質量濃度が夏季平均の2.75mg/m3,冬季平均の6.17mg/m3よりも高濃度(8.33mg/m3)であったときにPRRSVは空気検体から0.132TCID50/m3,口腔液から0.138TCID50/m3が検出され,エアロゾル濃度とPRRSV濃度の間に関連があることが示唆された。

収録刊行物

  • 農業施設

    農業施設 46 (1), 1-8, 2015-03

    つくば : 農業施設学会

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