『訓蒙図彙』寛文版本と『本草綱目』 : 「狒狒」をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • 『 クンモウズイ 』 カンブン ハンポン ト 『 ホンゾウ コウモク 』 : 「 ヒヒ 」 オ メグッテ
  • The Kanbun Version of Kinmozui and Bencaogangmu : Focusing on the Baboon

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抄録

寛文六年(一六六六)刊、中村惕斎撰『訓蒙図彙』二〇巻は、日本最初の絵入り百科事典である。明・万暦二四年(一五九六)刊、李時珍撰『本草綱目』は本草書である。第一に、『訓蒙図彙』寛文版本「狒狒」の図像は、『本草綱目』「狒狒」の図像の向きを左右反対にし、さらに『本草綱目』の本文に示された「狒狒」の長い毛髪、笑みを浮かべた表情、岩に寄りかかるポーズを、『本草綱目』以上に忠実に図像化したものであった。第二に、『訓蒙図彙』寛文版本「狒狒」の本文は、『本草綱目』和刻本の本文、引用漢籍のみならず、これらを駆使して考証を加えた李時珍の説をきわめて厳格に踏襲し、尊重する姿勢を示している。

収録刊行物

  • 外国語学研究

    外国語学研究 20 82(1)-76(7), 2019-07-31

    東京 : 大東文化大学大学院外国語学研究科

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