「言いえないもの」と道徳的主体 --ベンヤミンのブーバー宛書簡と初期断章群における道徳の問題--

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タイトル別名
  • "The Unsayable" and the Moral Subject: Benjamin's Thoughts on Morality in His Letter to Buber and His Early Fragments
  • 「 イイエナイ モノ 」 ト ドウトクテキ シュタイ : ベンヤミン ノ ブーバーアテ ショカン ト ショキ ダンショウグン ニ オケル ドウトク ノ モンダイ

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抄録

「言いえないもの」という主題は、20世紀世紀転換期のドイツ語圏の思想を規定するものであり、さらには教育学一般を条件づける重要な主題でもある。従来から、ベンヤミンによる1916年のブーバー宛書簡は、この「言いえないもの」をめぐる言語実践に対するベンヤミンとブーバーの姿勢の違いが現れた資料として取り上げられてきた。一方、言語を行為の手段として軽視するブーバーに対して言語の無媒介的な作用の力強さに着目するベンヤミンという従来の図式においては、言語観の違いに力点が置かれることで、両者における「言いえないもの」をめぐる道徳的行為一般に対する姿勢の違いについての問いが十分には問われてこなかった。本稿はこの書簡を、ラッセル的パラドクスへの取り組みなどがなされている初期の断章群と併せて、言語と行為の関係という観点から読み直すことにより、その道徳論的側面から描き直す。

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