Deepening of thoughts advanced by dialogue

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  • 対話が促す思考の深化
  • タイワ ガ ウナガス シコウ ノ シンカ

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本稿の目的は,対話によって引き起こされる思考の深化の実相と意味を確認し,教育現場へ のさらなる効果的な導入のための方策を探ることにある。思考は自身を取り巻く世界(実在) を認識する作業から始まり,それが何であるかという信念へと育てていく行為である。対話は この信念をもって行われる。対話が他者との相互作用を引き起こし,さらなる思考の深化へと つながるためには,適切な目的と価値を与えられる必要がある。これらは,人間が持つ非自然 的な合理性の能力によって導き出される。適切な目的と価値を伴った対話の原型は,ソクラテ スによる対話や,オックスフォード大学が何世紀にもわたって維持している「チュートリアル」 と呼ばれる個別指導に見ることができる。ソクラテスの場合,対話の先に「絶対的価値」を見 据え,オックスフォード・チュートリアルは「教育された市民」の育成という目標に向けて行 われる。両者に共通すると思われるのは,「問い」の質の高さである。対話的手法を展開しよう とするなら,まず,「問い」の質を考慮すべきであろう。

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