Bibliographic Information
- Other Title
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- 対話が促す思考の深化
- タイワ ガ ウナガス シコウ ノ シンカ
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Abstract
本稿の目的は,対話によって引き起こされる思考の深化の実相と意味を確認し,教育現場へ のさらなる効果的な導入のための方策を探ることにある。思考は自身を取り巻く世界(実在) を認識する作業から始まり,それが何であるかという信念へと育てていく行為である。対話は この信念をもって行われる。対話が他者との相互作用を引き起こし,さらなる思考の深化へと つながるためには,適切な目的と価値を与えられる必要がある。これらは,人間が持つ非自然 的な合理性の能力によって導き出される。適切な目的と価値を伴った対話の原型は,ソクラテ スによる対話や,オックスフォード大学が何世紀にもわたって維持している「チュートリアル」 と呼ばれる個別指導に見ることができる。ソクラテスの場合,対話の先に「絶対的価値」を見 据え,オックスフォード・チュートリアルは「教育された市民」の育成という目標に向けて行 われる。両者に共通すると思われるのは,「問い」の質の高さである。対話的手法を展開しよう とするなら,まず,「問い」の質を考慮すべきであろう。
Journal
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- Journal of Kumamoto Health Science University
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Journal of Kumamoto Health Science University (17), 11-18, 2020-03
熊本保健科学大学
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050003824759063808
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- NII Article ID
- 120006841024
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- NII Book ID
- AA12816509
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- ISSN
- 24335002
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- NDL BIB ID
- 030323597
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- NDL
- CiNii Articles