隔壁構造を有する胸水貯留に対して ウロキナーゼ線溶療法を複数回施行した₂歳児例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF A PEDIATRIC PNEUMONIA PATIENT WITH LEFT PLEURAL EFFUSION WHO RECEIVED SEVERAL COURSES OF UROKINASE FIBRINOLYTIC THERAPY

この論文をさがす

抄録

小児の急性肺炎に胸水貯留を伴う事はしばしば経験されるが,貯留した胸水に対し介入を行う事は まれである.今回,隔壁構造を伴った胸水貯留に対し,ウロキナーゼの胸腔内投与による線溶療法を 繰り返し施行することで改善した症例を経験した.  2歳6ヶ月男児.10日間続く発熱・咳嗽あり,前医を受診.画像検索にて肺炎と左大量胸水を認め 当院へ転送となった.胸腔ドレーンを留置し,胸水排液を行ったが,超音波画像とCT画像で胸腔内 に隔壁構造を伴った胸水貯留を認めたため,ウロキナーゼの胸腔内投与による線溶療法を施行.1クー ルの投与では隔壁構造,胸水ともに残存したが,計4クール施行したところ,隔壁構造の消失と胸水 の減少を認めた.  隔壁構造を有する胸水貯留に対し線溶療法を単回施行し効果が少ない場合でも,繰り返し施行する事で効果を得られる場合もあり,選択肢として考慮すべきである.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 71 (1), 17-21, 2020-01-30

    横浜市立大学医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ