精神医療における保護者制度廃止に対する精神障害者家族の認識 家族会メンバーを対象としたインタビュー調査の結果より

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  • セイシン イリョウ ニ オケル ホゴシャ セイド ハイシ ニ タイスル セイシン ショウガイシャ カゾク ノ ニンシキ : カゾクカイ メンバー オ タイショウ ト シタ インタビュー チョウサ ノ ケッカ ヨリ

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1950年に精神衛生法が制定されて以降存続した、家族を想定した保護者に対して精神障害者の治療継続や監督、財産上の利益保護等の義務を定めた保護者制度に対する、精神障害者家族の認識を明らかにすることを目的とした。精神障害者家族会のメンバー9名を対象としたインタビュー調査を実施し、データを質的帰納的に分析した結果、【保護者制度に対する認識】【保護者制度の影響】【保護者制度撤廃の影響】【地域精神医療を見据えた課題】【精神障害者家族の特徴】【家族会への展望】の6カテゴリに集約された。研究協力者は保護者制度そのものについて知識がない、問題意識がなかったと認識し、本制度を日本の政治と文化が招いた弊害であり、家族に負担をかける偏見に基づいた制度と捉えていた。本制度で困ったこととして当事者との関係への悪影響や退院時の引き取り義務の負担等を、一方で制度のメリットも認識していた。本制度撤廃については当事者の意思決定の尊重が優先される等のメリット、一方で撤廃後の行政や入院システムへの懸念が示された。地域精神医療を見据えた課題としては、社会保障の不全や病気に対する偏見等が集約され、精神障害者家族の特徴と家族会については、親の子どもの障害に対する無理解や家族自身の障害への根深い偏見、家族会が古い体制から新しい体制へ向かう転換期にあること等が示された。(著者抄録)

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