幼稚園教諭・保育士養成課程における,ピアノ未経験者の技術習得過程についての一考察
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S(会告など)
幼稚園教諭・保育士養成課程におけるピアノ未経験者を対象に,ピアノその他楽器を通じて自己を表現しようとする姿勢の変容を明らかにし,授業内容及び今後の課題を検討することを目的とし,授業アンケート,音楽会への取り組みへの学生の記述及び見取りから,検証を行う。その際に,彼らが表現を楽しむ実感を伴った音楽体験どのように積んでいくのかという「学び手」の視点,いかにして子供の可能性を引き出す豊かな表現者になっていくのかという「幼児教育携わるもの」としての視点を要点とした。人前で発表する機会の少なかった未経験者は,音楽会という一つの目標により,練習過程での身体の変化,人前で演奏し緊張することによる身体の変化を体験した。そのことは,自身の音楽体験を,匿名で漠然とした「他人事」ではなく,具体的で実感のある「自分事」として認識するようになったといえる。それを後押しするのが,具体的に「◯◯が出来るようになった」というポジティブな体験,共感的な他者からのまなざしや演奏であった。さらに,教師自身が共感的他者として学生と関わり,彼らが安心して表現できる環境を保証し,共に学びを深めていくことが重要であろう。一方,継続的な練習を促すためにどのような手立てが考えられるのかについては今後の課題としたい。
収録刊行物
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- 江戸川大学紀要
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江戸川大学紀要 30 2020-03-15
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050003824836882432
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- NII書誌ID
- AA12560733
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB