天平時代の精神医学 ―藤原宮子の病状とその治療―

書誌事項

タイトル別名
  • Psychiatry in the Tenpyo period: symptoms and treatment of Fujiwara Miyako
  • テンピョウ ジダイ ノ セイシン イガク フジワラ ミヤコ ノ ビョウジョウ ト ソノ チリョウ

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説明

藤原不比等の娘である藤原宮子は、本来藤原氏出身で初めて天皇の母となったこと一点をとっても、奈良時代史のなかでもっと注目が集まってもよい人物であるが、聖武天皇の母、光明子の姉であり姑であることはあまり省みられていない。宮子は聖武天皇を出産してから「幽憂」の状態にあって調子が悪く、わが子の聖武天皇すら、生んで以来36年も会わなかったという。そこへ吉備真備らと入唐し、天平7年(735)に帰国した玄昉が宮子を看護して、たちまち快癒させ、実に36年ぶりに宮子と聖武天皇の母子対面となったことを、『続日本紀』天平9年(737)12月の記事は伝える。この論文では宮子の病状と治療について当時の医療事情を踏まえ検討した。

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