DSM-5における神経発達障害の診断基準

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タイトル別名
  • Diagnostic Criteria of Neurodevelopmental Disorders in DSM-5
  • DSM-5 ニ オケル シンケイ ハッタツ ショウガイ ノ シンダン キジュン

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説明

2013年5月に発表された米国精神医学会診断統計マニュアル第5版(DSM-5)は, 小児神経分野では, かねてから専門家に用いられてきた自閉症スペクトラム障害が診断カテゴリーの中に導入され, 自閉性障害とアスペルガー障害が自閉症スペクトラム障害という診断名で包括された. しかし, 常同行動がないことや言語をコミュニケーション手段に使用するものの比喩や言語外の意味を理解・表現する語用論的な側面が欠如する場合は, 「社会性(実用)コミュニケーション障害」という新しい診断名で別の分類に加わった. 言語発達研究に携わる者にとっては理解しやすい診断名であるが, 状況把握が少し苦手な人にさえもこの診断名のレッテルが貼られる危険性をもった診断基準である. また, 自閉症スペクトラム障害と合併しやすい疾患としてカタトニアを特定するという注釈が加わった. このことは, 彼らのコミュニケーションのタイミングの悪さをセラピストがスキルでカバーしようとする訓練法の効果に期待できず, 訓練法の見直しを迫られている可能性を示している.

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