保育所・幼稚園における活動分析 : 活動の構成と構造
書誌事項
- タイトル別名
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- Activity analysis in preschools and kindergartens : background, aims and methods of this study
抄録
本研究の目的は,問いの提出による子どもの思考の深化によって,保育における子どもの発達と学びの豊かさを新たに見つけ出すことである。そのために本稿では,問題の所在として,保育の活動分析に関する先行研究を再調査し,研究方法における課題として,これまでの保育の活動分析は子どもの理解が中心であり,保育者と子どもの関係による相互活動を取り上げる必要を指摘している。また,保育と学校教育との間での研究交流が活発に行われていない現状を指摘し,学校教育でよく使われる授業研究とその研究方法を保育の活動分析に適用することで研究交流を図るという研究の意図を説明している。その意図から,研究方法として,この授業研究の方法を用い,保育の一場面,活動を取り上げ,分析した。その結果,次の5点を明らかにした。 1.場面は,問いと答えの問題解決的活動で構成されている。 2.当事者間には学びは成立しているが,クラス全体の学びは確認できない。 3.DVDにおける保育の領域「人間関係」(社会性)で取り上げた場面では,学びの中心は問いであるが,その問いは偶発的なトラブルにもとづき,保育者が子どもたちに考えるよう示したものである。 4.取り上げた場面のように,保育のより深い学びは,偶発的な機会での学びであり,計画的ではないことが多く,的確な学び場面の把握と指導が必要である。 5.保育では,保育者の適切な指導により,子どもたちに,その行動への判断と理由付けをさせ,より深い学びを作り出すことができる。 これらの点から,保育の教育領域でも,問いと答えの間を教育する問題解決的活動が行われ,保育における深い学びが成立している。しかし,その活動は,計画的というよりは,保育者の偶発的な機会の把握によるものであり,学びの指導という点では限られた効果であるといえるだろう。そして,保育の実際場面の活動を授業研究・分析の方法に基づき分析すると,子どもたちの発言や行動の深い学びを見つけることができることを示している。
原著論文
収録刊行物
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- 日本体育大学大学院教育学研究科紀要
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日本体育大学大学院教育学研究科紀要 3 (2), 315-334, 2020-03-30
日本体育大学大学院教育学研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050003824862321664
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- NII論文ID
- 120006870520
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- ISSN
- 24338656
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles