野生動物のピロプラズマ原虫感染とその進化系統解析

抄録

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ピロプラズマ原虫は,赤血球に寄生するアピコンプレックス門に属する原虫で,溶血性貧血などを引き起こすダニ媒介性の原虫である。近年,ピロプラズマ目原虫は以前では分離できなかった野生動物やマダニ類からの原虫の検出が可能となり,新種の発見につながっている。本研究では我が国のアライグマにおけるピロプラズマ目原虫感染の状況を把握するために,北海道および関西地域で捕獲された野生のアライグマ44 検体についてnested PCR 法によってスクリーニングを行い,アライグマが保有する原虫の種類とそれぞれの感染率を調査,遺伝子解析およびその進化系統解析を行った。このことは野生動物から家畜や愛玩動物などへの感染拡大を防止し,その予防対策を講じるために重要である。

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