自己確証モデルに基づいた大学生アスリートの自己理解に関する事例的検討

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タイトル別名
  • Case study on self-understanding of university student athletes based on self-validation model
  • ジコ カクショウ モデル ニ モトズイタ ダイガクセイ アスリート ノ ジコ リカイ ニ カンスル ジレイテキ ケントウ

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抄録

アスリートのメンタルトレーニングでは,自己理解を促すアプローチが重要視されている。複雑な競技環境の中で活動しているアスリートには,自身を取り巻く空間軸にそって自己を理解することが適していると考えられる。自己を取り巻く環境から自己を認識するモデルとして自己確証モデル(Self-Validation Model: Ishiyama, 1987)がある。本研究では,アスリートの心理的競技能力の違いによる自己理解の特徴について,自己確証モデルを用いて事例的に比較するとともに,アスリートに対する自己確証モデルの有用性について検討することを目的とした。本研究における調査はA大学女子ソフトテニス部21名を対象とした心理セミナーで実施された。分析対象者は,DIPCA.3の総合得点が平均の1 SD以上の3名(高得点群)と1 SD以下の3名(低得点群)とした。なお,心理セミナーの参加者には,自己確証モデルを参考にした自己理解のワークを実施させた。このワークでは,自身が大切にしていることを4つのカテゴリー(もの・場所・活動・対人関係)に分類させ,より大切にしていることをA3のワークシートの中心に位置させた。その結果,高得点群(平均18.0個,6.1±2.4 cm)は低得点群(平均13.7個,7.7±4.0 cm)よりも大切にしていることを中心に配置する傾向にあり,その数も多い傾向を示した。本研究の結果から,心理的競技能力が高いアスリートは,周囲の環境からの自己理解が促進されており,サポート資源を有効に活用しようとする姿勢が示された。

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