海外輸出に向けたツバキおよびイヌツゲ苗の品質保持技術

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タイトル別名
  • Effect of storage condition to export on the quality and stability of Camellia japonica and Ilex crenata
  • カイガイ ユシュツ ニ ムケタ ツバキ オヨビ イヌツゲ ナエ ノ ヒンシツ ホジ ギジュツ

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抄録

福岡県は全国第2位の緑化木生産県であるが,国内消費が低迷しており,新たな販路として輸出への取り組みが求められている。ただし,EUなどへの輸出には長期の輸送が必要である。そこで本県の主要な生産品目であるツバキCamellia japonica L.とイヌツゲIlex crenata Thunb.の品質を低下させない輸送条件を検討した。密閉冷蔵コンテナを用いた船舶によるEU向け輸出を想定し,3年生のツバキ苗およびイヌツゲ苗を2℃,5℃,10℃で,6週間,暗黒条件下で貯蔵した結果,呼吸量の増大や他の品目に影響するエチレンの発生は認められず,貯蔵後も品質は保持されていた。しかし,苗木にエチレンを1ppmまたは10ppmの濃度で曝露させると1週間では影響がなかったが,6週間続けると落葉などの品質低下がみられた。9月,11月,1月から6週間貯蔵した場合,根鉢をポリ袋で被覆すると重量減少や葉色変化が小さく,品質を保ったまま輸出できることが示された。ただし,9月出荷では樹体が耐凍性を獲得していないため,輸出先の気候が厳寒期の場合は凍結傷害を起こし,苗全体が枯死する可能性があることが明らかになった。

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