『歴代名画記』にみる魏晋以前の画家と作品

書誌事項

タイトル別名
  • Painters and Works in “Famous Paintings through History” until the Wei and Jin Dynasties

抄録

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本稿は,張彦遠『歴代名画記』中に見える魏晋までの画家とその作品について,「誰が」「何を」描いたのかを明らかにするため論じたものである。劉宋から張彦遠の時代である晩唐まで,中国において画家やその作品は多様化し,本格的に中国絵画は発展していくことになるが,本稿は,その前段階を見直す目的で論述するものである。第1 章では,黄帝の時代から三国時代まで,第2章では西晋および東晋の画家と作品について検討した。その結果,画家の社会的地位および作品の画題の変化という点で,後漢がひとつの転換点となっていること,晋代には,呉の絵画の流れを汲むグループ,琅邪王氏を中心とするグループ,戴氏一族のグループが誕生したことがわかった。また,当時の中国における絵画の技術は,単独で伝えられるものではなく,その他の諸芸と結びついて,思想や精神性とともに伝えられる傾向があることを指摘した。

収録刊行物

  • 人文研紀要

    人文研紀要 96 29-58, 2020-09-30

    中央大学人文科学研究所

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