NC工作機械に関する考察 (2) : 1950年代・1960年代の日本

書誌事項

タイトル別名
  • NC コウサク キカイ ニ カンスル コウサツ (2) : 1950ネンダイ・1960ネンダイ ノ ニホン
  • NC kōsaku kikai ni kansuru kōsatsu (2) : 1950nendai 1960nendai no Nihon
  • A study on numerically controlled machine tools (2) : Japan in the 1950s and 1960s

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抄録

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日本の工作機械産業の国際競争力を論じる多くの研究が注目してきたのは,1970年代,特にCNC 化以降のNC 装置メーカーや工作機械メーカーの経営行動であるが,本稿では,これに先立つ1960年代までの日本企業の歩みの中に,のちの競争力に関わる経営資源の蓄積を見出せることを明らかにする。戦後の工作機械メーカーは長らく低迷を続けたが,1950年代後半以降質・量ともに大きく変化しはじめる。とりわけ旋盤分野では,大隈鉄工所の実用高速旋盤LSの開発と生産に象徴される,新たな市場の開拓に照準を合わせた戦略的な展開が生まれた。一方,リードユーザー不在の中で発足以来赤字を続けてきた富士通のNC 部門は,1960年代初頭にNC装置事業でいかにして利益を出すかという問題に向き合ったのち,普及型の製品で量産を追求するというビジネスモデルを定める。これを最初に具現化したFANUC260の登場に呼応して,既に普通旋盤分野でユーザー・ニーズに即した製品を開発・量産する能力を蓄えてきた工作機械メーカーはNC旋盤の量産へと進むことになった。

論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 62 (6), 73-94, 2020-02

    慶應義塾大学出版会

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