黒ボク土における小麦新品種「タマイズミR」の特性

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of a new wheat cultivar 'Tamaizumi R' carring Wheat Yellow Mosaic Virus resistance in andosol upland field
  • クロ ボクド ニ オケル コムギ シン ヒンシュ 「 タマイズミ R 」 ノ トクセイ

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説明

硬質小麦「タマイズミ」は,醤油醸造用及び中華麺用として品質が優れるが,コムギ縞萎縮病に弱いため栃木県では栽培面積が減少している。そこで,国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構次世代作物開発研究センターで育成された,コムギ縞萎縮病に対して抵抗性を有する「タマイズミR」について,栃木県で普及する際に必要な栽培マニュアルを作成するために,普及見込み地帯の黒ボク土における特性調査を行った。「タマイズミR」は「タマイズミ」に比べて6~7cm短稈であった。品質ランク区分の重要な形質である子実タンパク質含有率と容積重が,「タマイズミR」は「タマイズミ」よりもやや劣る傾向が認められたが,緩効性の専用肥料を基肥窒素に12gm-2施用し,出穂期10日後に窒素4gm-2追肥することで,子実タンパク質含有率12%及び容積重833gL-1の基準以上を安定して確保し,併せて多収を達成することができた。また,本県壬生町における2年間の現地栽培(1,430a)で「タマイズミR」は収量454gm-2と子実タンパク質含有率13.6%を実証できた。実需者による工場規模の試験で「タマイズミR」の醤油醸造品質は「タマイズミ」と同等と評価された。「タマイズミR」は本県芳賀町のコムギ縞萎縮病に対してウイルスの感染は認められたが実用上の問題はないと考えられた。

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