果樹の整枝せん定における選択肢と樹冠設計システム(CDS)を用いた多様な樹冠モデルの作成

書誌事項

タイトル別名
  • Construction of various crown models of fruit trees using some alternatives in training-pruning procedure and a Crown Design System (CDS)
  • カジュ ノ セイシ センテイ ニ オケル センタクシ ト ジュカン セッケイ システム(CDS)オ モチイタ タヨウ ナ ジュカン モデル ノ サクセイ

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説明

果樹の光環境改善研究に用いる樹冠モデルを作成するため,樹冠設計システム(CDS)を開発した。栽培果樹の樹冠が主幹,主枝および亜主枝以降のひとかたまりの枝葉複合体(ユニット)の3要素から構成されると考えた。CDSは整枝せん定における多くの選択肢を組み合わせることにより,多様な樹冠モデルを短時間に正しく設計できた。このときの整枝せん定における処理項目には,主幹の長さおよび斜立主幹の傾斜角度と傾斜方位,主枝数および主枝,ユニット両者における大きさ分布形,分岐角度の分布形,着生間隔の分布形および回転中心角とその増分などが含まれた。そして,各項目内に複数の選択肢を設け,様々な選択肢の組み合わせにより生まれた樹冠モデルの外観と内部構造を比較したところ,以下の傾向が見出された。すなわち,主幹長の違い,主幹の傾斜角度および主枝数の違いは樹冠外観を大きく変え,主枝長分布形,主枝の着生間隔分布形,主枝の分岐角度分布形の各選択肢の違いは樹冠の内部構造も変えた。また,第1主枝の回転中心角と中心角増分の組み合わせやユニットのタイプの違いは樹冠外観に大きく影響した。主幹長が長いほど枝の混み合いや割り当て空間からのはみ出しが抑えられ,作業空間が拡大した。しかし,190cm以上の主幹長では樹高制限(350cm)に抵触しやすく,40cmのように短い主幹では,ユニットの重なりによる葉ブロック数の不足をもたらした。2本主枝のとき,小さいユニットを用いると葉ブロック数が不足し,反対に大きいユニットを用いると葉ブロック数が過剰になった。6本主枝や5本主枝では葉ブロック数が過剰になりやすかった。ユニットの並びが上方にV字状にすると,横方向や下方向のはみ出しが抑えられ,作業空間を広く取れた。

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