伊豆半島南部海域におけるカサゴ放流魚の成長と放流効果

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タイトル別名
  • Growth and stocking effectiveness of marbled rockfish Sebastiscus marmoratus released in the southern area of Izu peninsula
  • イズ ハントウ ナンブ カイイキ ニ オケル カサゴ ホウリュウギョ ノ セイチョウ ト ホウリュウ コウカ

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抄録

伊豆半島南部海域に放流したカサゴ種苗の成長と放流効果について検討した。2007年8月に下田市須崎地先に平均全長71mmのカサゴ稚魚13,000尾を放流した。伊豆半島南部海域の漁獲物が水揚げされる下田市魚市場での市場調査では,2歳から標識魚が発見されはじめ,2019年2月までの発見尾数は201尾であった。再捕場所は放流場所付近を中心に妻良沖から河津沖であった。放流の前後で水揚げ量,体長組成には変化は見られなかった。再捕時の年齢と全長より求めたvon Bertalanffy成長式から計算した全長は,3歳で233mm,5歳で259mm,10歳で266mmであり,他海域と比較して成長が速い傾向が見られた。2~9歳の平均混入率は1.8%,11歳までの回収尾数,回収率はそれぞれ534尾,4.11%であった。また,費用対効果が1を満たす回収率は20.7%と試算された。今回の回収率は,西日本の放流効果よりは概ね低めの値であり,経済効果は低いと考えられた。

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