クリ新品種「えな宝月」の育成経過とその特性

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タイトル別名
  • Breeding the new chestnuts cultivar 「Ena Hougetsu」 and its characteristics
  • クリ シン ヒンシュ 「 エ ナ ホウゲツ 」 ノ イクセイ ケイカ ト ソノ トクセイ

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抄録

県内のクリ主産地では、「丹沢」と「筑波」の端境期(9月中旬)に収穫できる早生品種が切望されていたことから、1997年に「筑波」と「丹沢」の混植園において採取した「筑波」を播種し、得られた実生の中から選抜を行い、「えな宝月」を育成した(2016年3月1日品種登録、品種登録番号第24747号)。収穫期は、育成地(中津川市)において9月中旬で「丹沢」より6日遅く、「筑波」より12日早く、両品種の端境期に収穫できる。総収量は、「丹沢」と同等であるが健全果率が高く収量性に優れる。1果重は「丹沢」、「筑波」に比べやや小さい。果実品質は、比重が「丹沢」、「筑波」に比べ高く、蒸し栗の肉質が粉質で、果肉色が黄色く、甘み、香りが優れ「栗きんとん」の加工に最適である。結果母枝当たりの雌花数は、「丹沢」と同等で、結果母枝資質と雌花着生の関係も「丹沢」に似ている。「えな宝月」は、「丹沢」、「筑波」の端境期を埋め、集荷量の平準化を可能とする早生品種として普及が期待される。

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