イワナナガクビムシのふ化及び幼生の寄生能力期間

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タイトル別名
  • Hatching of Salmincola carpionis and period of parasitic capacity of the larvae

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抄録

1 S. carpionisのふ化及び幼生の動態に関する知見を得るため、卵をシャーレ内で培養し、ふ化後の動態を経時的に観察すると共に、幼生の寄生能力期間を解明するため、イワナを用いた感染試験を実施した。2 今回行った10℃の恒温器内において滅菌飼育水中で揺らしながら行う卵の培養方法は、長期間培養してもふ化率が下がらないことからS. carpionisの卵の培養法として適していると考えられた。3 一対の卵のうに入っていた卵数の平均は164個で、卵のふ化率は平均88%であった。観察の結果、ふ化した幼生が全て死亡するのに7日間かかった。4 2回行った感染試験の結果、ふ化確認後、96時間後まではイワナへの寄生が確認され、120時間後には寄生は確認されなかった。寄生が起きた水槽における寄生率は10~40%であった。一方、2回目の感染試験時に一部の幼生について生存期間の確認を行った結果、ふ化後5日目(120時間後)でも生存個体があり、7日後に全ての個体が死亡した。5 湧水の養魚場においては、本虫寄生魚を取り除いてから8日間以上池を空けてから新たに非寄生魚を収容することでクリーン化が図られると考えられた。

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