日本における都市農業の多面的機能とソーシャル・ビジネス : 新潟市を主な対象として

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タイトル別名
  • Multi-functionality of urban agriculture and social business in Japan : Focusing on Niigata City
  • ニホン ニ オケル トシ ノウギョウ ノ タメンテキ キノウ ト ソーシャル ・ ビジネス : ニイガタシ オ オモナ タイショウ ト シテ

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抄録

本研究は、日本の都市におけるクリエイティブ・クラスと農業の多面的機能及びソーシャル・ビジネスの関係を明らかにしている。具体的には、4つの政令指定都市の住民に対するアンケート調査の結果に共分散構造分析(SEM)を適用し、新潟市における2つの革新的農業関連ビジネスの事例に対して複線径路・等至性モデル(TEM)を用いて分析を行っている。分析結果からは以下のことが明らかになっている。すなわち、都市が持続可能な発展を得るためには、創造性の高い人々(創造的な職業と創造的な思考の両方)を住まわせることが必要であり、農業の多面的機能を通じた都市の快適さは、これらの人々を惹きつける要因の1つと見なすことができる。また、クリエイティブ・クラスを惹きつけるための既存の都市アメニティを改善する方法を超えて、ソーシャル・ビジネスを通じて都市農業の多面的機能を強化することは、都市の持続性と創造性を改善する上でより効果的であると考える。さらに、以上の分析結果を踏まえて、新潟市における都市政策に対しては、ソーシャル・イノベーションを誘発するために農業関連のソーシャル・ビジネスを促進すること、特に、クリエイティブ思考を有する人々を主体とした多元的なプログラムを推進することの必要性を論じた上、その方策として、産学官民の連携を通じた協調優位戦略にもとづいて、農業関連のソーシャル・ビジネスのクラスターを形成することを提示している。

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