現代における「人間の問い」の意義 ―真下信一とマルクス・ガブリエルの哲学―

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  • ゲンダイ ニ オケル 「 ニンゲン ノ トイ 」 ノ イギ : マシタシンイチ ト マルクス ・ ガブリエル ノ テツガク

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抄録

本稿では,真下信一の「ヒューマニズム」の哲学のアクチュアリティを示すため,現代ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルの議論との比較検討を行った.真下とガブリエルの哲学の内容には極めて多くの一致点が見られる.このことは,両者がともに,人間の普遍的価値を信じ,その本質である自由や,それを実現する社会の仕組みである民主主義の実現を目指すとともに,それを妨げようとするもの(ファシズム,自然主義,デジタル全体主義)に対して徹底的に闘った/闘っている哲学者であるということに由来する.それは,日本とドイツという,先の大戦で多くの被害を被っただけではなく,多くの被害をもたらしたことへの深い反省に基づくものでもあった.ドイツと違い,「人間の概念」の明確な規定が欠如している日本において,「人間とは何か」を正面から論じ続けたヒューマニズムの哲学者真下信一の哲学は今なお学び続ける必要がある.

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