「農商工消連携」の消費者教育としての学習効果 -消費者参加型事業のSR(社会的責任:Social Responsibility)としての可能性-

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  • 「 ノウショウコウショウレンケイ 」 ノ ショウヒシャ キョウイク ト シテ ノ ガクシュウ コウカ : ショウヒシャ サンカガタ ジギョウ ノ SR(シャカイテキ セキニン : Social Responsibility)ト シテ ノ カノウセイ

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抄録

農商工消連携とは農業者、商業者、工業者、消費者が地域で連携し、お互いの資源を活用して新しい商品や事業を生み出す活動である。納豆メーカーと消費生活協同組合を中心として運営される農商工消連携では納豆の原料となる大豆の栽培から収穫までを消費者参加で実施している(大豆ボランティア活動)。農業にはさまざまな教育効果があり、消費者教育としての学習効果も期待されることから、こうした活動は企業等が行うSR(社会的責任)のひとつである消費者課題への対応として有効であることが期待できる。そこで本研究では2018 年に大豆ボランティア活動に参加した参加者へのアンケート調査により消費者教育としての学習効果を検証した。その結果、活動に参加したことにより農産物の生産に関する知識を得るとともに、「残さず食べるようにする」、「なるべく地元産のものを購入する」、「産地を見て購入する」などの項目について消費行動の変容がもたらされた。知識の獲得と消費行動の変容のいずれにおいても農作業を体験したこと、複数回作業したこと、生産者と交流したことの影響が大きく、消費者教育としての学習効果を得るためには、生産者との交流を含む複数回の農作業体験が有効であると考えられた。また、このように消費者教育としての学習効果が示されたことから農商工消連携はSR の消費者課題への対応として一定の意義があるといえる。

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