子宮がんの治療を受けた既婚女性の体験に伴う感情に関する研究

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タイトル別名
  • A Study on Emotions of Married Patients through the Experience of Having Undergone the Therapy of Uterine Cancer
  • シキュウガン ノ チリョウ オ ウケタ キコン ジョセイ ノ タイケン ニ トモナウ カンジョウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究の目的は, 子宮がんの治療を受けた既婚女性の体験に伴う感情を明らかにすることである.研究方法は, 子宮がんの治療を受けた既婚女性を対象に, 半構成的面接を行い, 逐語録を作成した. 分析は, Shaverらの感情の系統図を参考に, 子宮がんの治療を受けた患者の体験に伴う感情を抽出し, ライフサイクル的な時間軸に沿って, ライフヒストリーに構成した. 信頼性と妥当性は, 信用可能性, 移転可能性, 明解性, 確認可能性の確保をもって行った. 倫理的配慮は, 香川大学医学部倫理委員会の承認を得た. 協力者には, 研究参加と拒否の自由, 匿名性等を説明し書面で同意を得た. また, がん患者に感情に関する質問をするため, 不安定時に備え精神科医師にアドバイスを依頼し, 面接時は心身の状態の確認を行った.研究の結果は, 協力者は3名得られ, 子宮がんの治療を受けた全協力者に, 愛・楽しさ・驚き・怒り・悲しみ・恐れの6つの基本感情を認めた. ライフサイクル的な時間からみると, 結婚から子宮がん罹患までは, 全協力者が配偶者への怒りを抱いていた. 子宮がん罹患後から子宮全摘出術までは, 子宮がん罹患, 転移, 進行への予測, 手術によって自分らしさを失うことに驚き・悲しみ・恐れ・怒りを感じていた. このようにネガティブな感情とは別に, 感情を配偶者に表出した際, 配偶者に慰められ愛を感じた者や, 配偶者の恐れる態度からいたわりとして愛を抱いた者がいた. 子宮全摘出術後から現在までは, 配偶者の励ましや, 周囲の無理解に怒りを感じていた. また, 性生活に応えられないことや化学療法による脱毛の悲しみ, 病理結果や手術後の身体の変化の予測, 社会復帰に対し恐れを感じていた. 一方で, 脱毛の

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