古代日本語の船舶の名称における異文化の要素について : 竹籠(『日本書紀』神代下、第十段、一書第一)を中心に

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抄録

古代日本語の船舶の名称には、日本語の視点だけでは正確に理解できないものがある。これらの単語には、適切な海の民の視点、具体的には、彼らが用いたであろう言語や文化についての知識を持てば正確に理解できるものがある。茂在寅男氏は、『記紀』の中に古代ポリネシア語が多く混じっている、と述べ、井上夢間氏は、「枯野」等の言葉とカヌーとの関係について、ハワイ語を用いて簡潔に説明したが、その知見は、言語面からの研究に突破口を開くものであった。古代日本語において、kauは、後に類名が続く場合には「小 /乎」と表記され、単語の末尾に置かれる場合には「甲/籠」と表記されている。『日本書紀』(神代下、第十段、一書第一)の竹籠という単語は、情報がやや重複する形ながら、「堅間」を竹製の籠(kau)とはっきり説明したものである。

船舶

カヌー

小/乎

竹籠

亀甲

identifier:BO009200003881

収録刊行物

  • 文学部論集

    文学部論集 92 97-109, 2008-03-01

    佛教大学文学部

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