中国の社会学

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タイトル別名
  • チュウゴク ノ シャカイガク
  • Sociology in China

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抄録

この翻訳は,アメリカのSocial Forcesに掲載された孫本文のSociology in Chinaを全訳したものである。本論考では中国に社会学が伝播した1900年ごろから1948年までの,中国の社会学の受容,発展そして現状を具体的な事実をあげながら,簡潔にまとめたものであり,中国の解放前の社会学の状況のほぼ全体像が述べられている。ほぼ全体像といったのは,ブルジョア社会学のみが扱われ,社会主義や史的唯物論をベースにした社会学はそもそも除外されているからである。孫は北京大学文科哲学専攻に在学中の1916年に中国人ではじめて社会学を講じた康宝忠教授の授業を受講した。卒業後中高で教職に就いたのち,アメリカに留学し,そして帰国後は上海および南京の大学で社会学の教育と研究に従事するとともに,東南社会学会およびそれを発展させた中国社会学社の創立および運営の中心人物となった。それに加えて,中華民国政府の仕事にも深く関わった。解放前の中国でもっとも多くの著作を書き著わし,かつもっとも著名な社会学者であった。しかし,新中国の成立後は,孫自ら旧社会ではブルジョアジー思想をもっていたし,自らの社会学はブルジョア社会学だったとして自己批判した。したがって,ここに訳出した論考はまさにかれがブルジョア社会学のコンテクストで書いた最後のものの一つであるこの論考の掲載誌Social Forcesの当該号の発行が1949年であるので,前年の1948年ごろに書いたと推測できる)。なお,この訳稿の内容をより深く,より広く理解するために,孫本文の自伝(資料1),著書『社会学原理』のとびらの記載(資料2),かれが出版を計画した著作集の目録である保存旧著選集的巻次和内容(1927-1948)(資料3)および孫本文学術年譜(資料4)を付録とした。

identifier:SO006200008120

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