非疑問形反語形式の史的考察

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  • ヒギモンケイ ハンゴ ケイシキ ノ シテキ コウサツ

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抄録

表層の形式が反転的に肯否の対立する判断を確認・主張する表現性を特徴として、非疑問形ながら反語形式と呼べるものに注目すると、「ばこそ」「てこそ」「にこそ」といった形式の形成が中世に集中していることが確認できる。中世という時代は、係り結び体制の崩壊によって、疑問形式の新しい体制に移る流動期であり、口語的には反語に対してその資材を十分提供できるほどの安定した状況になかったことがその理由として考えられる。室町期の新しい反語形式である「ばや」も、その形は疑問形であるが、成立過程からいえば、非疑問形の「ばこそ」形式を前提として折衷されたと見てよいと考える。

反語

疑問

係り結び体制

「ばこそ」

「ばや」

identifier:BO008300003685

収録刊行物

  • 文学部論集

    文学部論集 83 35-46, 1999-03-01

    佛教大学文学部

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