古代日本語の船舶の名称における異文化の要素について : 天岩戸を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • コダイ ニホンゴ ノ センパク ノ メイショウ ニ オケル イブンカ ノ ヨウソ ニ ツイテ : テン イワト オ チュウシン ニ
  • Foreign Vocabulary Elements in Ancient Japanese Vessel Names

この論文をさがす

抄録

古代日本語の船舶の名称やそれに由来する地名には、日本語一視点のみでは正確に理解できないものがある。これらの単語には、適切な海の民の視点、具体的には、彼らが用いたであろう言語や文化についての知識を持てば正確に理解できるものがある。茂在寅男氏は、『記』『紀』の中に古代ポリネシア語が多く混じっている、と述べ、井上夢間氏は、「枯野」等の言葉とカヌーとの関係について、ハワイ語を用いて簡潔に説明したが、その知見は、言語面からの研究に突破口を開くものであった。小論では、「天岩戸」は「天+岩+戸」の構造であること、ポリネシア語の「ama-’iwa-tau」に相当すること、「天amaアウトリガー+岩’iwa鳥+戸tau船」の意味構造であること、全称は「鳥を舶載する、アウトリガー・フロート付き外洋航海船」を意味すること、姉妹船に「天鳥船、天船、天磐船」があること、などを解明することができた。古代の日本語の問題を考えたり、古典を読み解くのに、中国語やポリネシア語等の外国語の知識や、船舶・航海の知識が役に立つという認識は、やがて常識となるのではないか。

船舶

手/田/多/戸

諸手船/室戸(岬)

天鳥船/天船/天磐船

天岩戸

identifier:BO010000008078

収録刊行物

  • 文学部論集

    文学部論集 100 1-25, 2016-03-01

    佛教大学文学部

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ