なぜ日本人はキリストの救いからもれるのか : 日本人の価値観とキリスト教の精神

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  • Why Christianity will not save the Japanese

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抄録

なぜわが国においてはキリスト教が広く普及しないのか。キリスト教の精神との比較を通して,日本人の死生観,価値観宗教性を考察する。他界観はその個人が所属する文化世界に一般的に見られる諸々の不安を埋め合わす映像である。他界観は価値観を規定する。また逆に,他界観が文化世界の反映であることを考慮すれば,価値観が他界観を規定すると言い換えることができる。日本人に多く見られる多神教的,汎神論的思想は「絶対者」の欠如の現れである。今日では日本人の原宗教の観さえある佛教も,土着の死霊観や,帰属意識の強い祖霊観と習合したためによく根を下ろした。また,檀家制度により佛教は「家ごとの宗教」となり,家族全体として寺に所属する社会制度ともなってきた。このような集団主義から個人が主体的に抜け出すことは極めて困難である。

identifier:BS002200007106

収録刊行物

  • 佛大社会学

    佛大社会学 22 100-112, 1998-01-31

    佛教大学社会学研究会

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