「子ども家庭福祉」概念の検討

書誌事項

タイトル別名
  • コドモ カテイ フクシ ガイネン ノ ケントウ
  • Review of the Concept of “Child-Family Well-Being”

この論文をさがす

抄録

1980年代以降に登場した「子ども家庭福祉」概念は,従来の「児童福祉」概念に「家庭」を取り込んだ新しい概念である。この概念の提唱者は,「子ども家庭福祉」概念には「ウェルビーイング」「目立支援」などの理念や「社会的わが子観」という子ども観,「権利保障」という性格・特徴などがあるという。これに対比して従来の「児童福祉」概念は,「児童の保護」「私物的わが子観」「救貧的・慈恵的・恩恵的(最低生活保障)」であると指摘する。しかし,児童福祉法の成立過程を遡ると,「児童福祉」概念には,救貧的・慈恵的・恩恵的な性格・特徴はまったく存在せず,子ども観もすでに「社会的わが子観」であった。さらに「児童福祉」とは,子ども自身を対象に,これを公的責任で保護・支援することによって,結果として家庭生活の向上・改善を図るものと考えられていた。したがって,現代社会に必要なのは,子どもの権利を尊重した児童福祉概念とそのための施策である。

子ども家庭福祉

児童家庭福祉

児童福祉

児童福祉法

保育所

identifier:DF003700003009

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ