生活史研究の系譜 : 記述と分析をめぐる課題

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タイトル別名
  • セイカツシ ケンキュウ ノ ケイフ キジュツ ト ブンセキ オ メグル カダイ
  • A Genealogy of Life History Study : problems of description and analysis

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抄録

生活史はもともとソーシャルワーク実践には馴染みのある語であり,社会福祉の様々な領域で当事者理解や生活問題の把握のための資料として用いられてきた。一方で,生活史を用いた研究は社会学や心理学では古くから取り組まれてきた。社会構造の把握及び人の行為の理解等のために,集団そのものから集団を形成する個人へ関心が移り,そこに生きる具体的な個人の理解を通して集団の構造や行為理論が考察された。そして客観的で普遍化・一般化可能な理論構築のために生活史は理論を導き出すための資料として用いられ,その際,敢えて個別特殊性を捨象する視点も現れるなど,生活史の記述と分析をめぐる議論が活発に行われてきた。それぞれの学問が目指すものは異なり,それによって生活史の記述や分析,そして解釈の視点も変化する。これまでの議論においては,「誰の」生活史か,生活史の「何を」「どのように」記述するのか,そして生活史を「どのように」分析するのか,といった課題があると整理できる。現実に生きる個人に関わるソーシャルワーク研究の場合,社会学や心理学が目指す普遍化・一般化のための生活史研究をそのまま応用するだけでは不十分である。ソーシャルワークが取り組むべき生活史研究の方法について,社会学・心理学での議論から,乗り越えるべき課題を検討する。

生活史

個別特殊性

法則定立的方法

ソーシャルワーク

identifier:DF003900003021

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