在朝日本人新聞メディアの社会的機能の考察 : 『京城日報』主催・町洞対抗リレーを事例として

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  • A Study of Japanese Newspaper’s Social Functions in Colonial Korea : Focus on Inter-Town Competition Relay Held by Keijo-Nippo

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抄録

朝鮮総督府の機関紙的性格をもつ日本語新聞『京城日報』は1920年代,副島道正社長のもとで紙面の充実が図られた。他方,この時期には朝鮮で体育に対する関心が高まり,1924年,内地での「体育デー」制定に連動した動きの一環として『京城日報』主催の「京城市内町洞対抗リレー」が開催された。『京城日報』はメディアイベントとしての性格をもつこの行事を通して,「内鮮融和」や資本主義発展のための身体調教,そして帝国の統合という当時の朝鮮社会で交差する複数のイデオロギーを草の根レベルで視覚化した。さらに,その様子を情報として朝鮮全土に拡散させた。すなわち,「文化政治」期の『京城日報』は,体育競技などの「文化」によって朝鮮支配を貫徹しようとした植民地権力のイデオロギー装置であり,一見,非政治的な住民参加型体育イベントを通じて,支配イデオロギーを視覚化し,拡散する社会的機能を果たしたのである。

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identifier:DS004800010793

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