カルチュラル・バックラッシュ理論とトランプ政権

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タイトル別名
  • カルチュラル ・ バックラッシュ リロン ト トランプ セイケン
  • The Cultural backlush Theory and the Trump Administration

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権威主義的ポピュリズムによりリベラルデモクラシーは危機に瀕しているとされる。しかし欧州諸国でポピュリズム政党の支持率が10%を超える状況と、経済的・軍事的に圧倒的なプレゼンスを持つ米国で権威主義的ポピュリズムが政権を掌握している事態では意味内容が全く異なる。 『歴史の終焉』で知られるフランシス・フクヤマは、「トランプが再選されれば多くの国際機関は崩壊するだろう」と述べている。再選を最優先するトランプは支持者の国内的選好を重視し、国際機関を機能不全に陥れている。しかし権威主義的ポピュリズムは保守派と同義ではなく、多数派でもない。大統領選における接戦州で勝敗の帰趨を握るとはいえ、取り残された白人労働者たちは、既存の主要政党から顧みられることのなかった存在にすぎない。ジャスティン・ゲストが「新たなマイノリティ」と呼ぶこれらの人々がもたらした政権により、国際社会や世界全体の運命が左右される事態はパラドクスといえるだろう。  本論では国際レジームに対するトランプ政権の矛盾に満ちた政治姿勢を批判的に検討するととも に、自らの利益を代表されていない取り残された白人労働者たちがなぜトランプ政権を支持するのか、カルチュラル・バックラッシュ理論に依拠して考察する。

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