大杉栄のアナーキズム思想と革命実践の構想 ―「本能」と「征服の事実」の観点から―

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  • Theoretical Consideration of Global Development Cooperation ―Focus on Official Development Assistance in South Korea―

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抄録

大杉栄は、日本思想史上もっとも有名なアナーキストであり、大逆事件で処刑された幸徳秋水の後継者としても知られている。本研究は、1912-1921 年の時期に大杉が著した諸論文を対象に彼のアナーキズム思想の理論と実践を考察し、大杉が本能や情念による「生の拡充」と、「征服の事実」という歴史叙述の観点から、近代の理性主義と既存の諸制度を批判し、大杉独自のアナーキズムの思想と実践を展開したことを明らかにする。第1 節では、大杉のアナーキズムの思想形成を扱い、大杉が個体の「生の拡充」を抑圧する「征服の事実」に対して、「反逆」の行動を展開していく思考の道筋を明らかにしていく。第2 節では、大杉の運動論について取り上げ、とくに「民衆芸術」論と、組織論としての「自由連合」論について検討する。以上の考察を通して、大杉と同時代の社会主義者との論争の思想的分岐点を確認し、大杉のアナーキズム思想の特徴を浮き彫りにする。

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