規則とクオリア

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タイトル別名
  • キソク ト クオリア
  • Rule-Following and Qualia

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抄録

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本稿の目標は、クリプキの規則遵守論(rule-following considerations)の観点からクオリアの把握の不可能性を論じ、クオリアについての懐疑的議論を提出することにある。このように言うと、多くの人はウィトゲンシュタインの私的言語論(private languageargument)を思い出すかもしれない。確かに、われわれはクオリアを私的な対象とみなすし、また、いかにしてある規則のもとで一意的にクオリアの囲い込みができるのか(集まりをつくれるのか)ということを問題とする。しかしながら、われわれはそこにおいてクリプキの規則遵守論のʻ考え方ʼは採用するが、規則遵守論に出てくる変則的な規則(例えばクワス算)は援用しない。本稿の懐疑的議論は、クリプキの提示した「認識論的ではない」懐疑論というʻ考え方ʼに影響されている。本稿は、このʻ考え方ʼに基づき、変則的な規則ではなく逆転スペクトル(inverted spectrum)の思考実験を経由してクオリアについての新しい懐疑的パラドックスを提示することを目指している。

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