都市における先住民空間のトポロジー ?? サンティアゴ市におけるマプーチェ先住民活動を事例として ??

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タイトル別名
  • トシ ニ オケル センジュウミン クウカン ノ トポロジー - サンティアゴシ ニ オケル マプーチェ センジュウミン カツドウ オ ジレイ トシテ -

抄録

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本稿では、チリの首都サンティアゴ市におけるマプーチェ先住民組織活動の場の構造と、そこに集う人びとの諸活動から、マプーチェ組織活動における空間利用の実際を描き、そうした活動が彼らの掲げる「伝統文化の復興」とどのように結びついているかを検討した。首都に住むマプーチェの人びとの背景には、故地からの移住者/首都出身者、先住民言語の獲得の有無、先住民姓の有無など、先住民アイデンティティをめぐる様々な要素が混在している。そうした多様性を持つ集団が自らの文化を維持し、かつ政治的な存在表明をするためにも、多くのマプーチェ組織は彼らの伝統的家屋であるルカを必要としている。本稿ではルカを持つ先住民組織の活動内容を、活動の場にあるルカ、レウェ、集会場という3つの異なった特徴を持つ場所との関係性において分析した。その結果、ルカとレウェがマプーチェ・コミュニティを構築する上で基本的な場所であったのに対し、集会場はルカの拡張空間としての集会場の機能と、チリ世界からマプーチェ世界へ移行するための媒介の機能を併せ持った場所であることを明らかにした。

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第241集『空間を記述する』武井秀夫 編

"Writing Space" Report on the Research Projects No.241

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