動物倫理と広く共有された道徳的信念--ザミールの種差別主義的解放論をめぐる考察

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タイトル別名
  • ドウブツ リンリ ト ヒロク キョウユウサレタ ドウトクテキ シンネン - ザミール ノ シュ サベツシュギテキ カイホウロン オ メグル コウサツ
  • Animal Ethics and Widely Shared Moral Beliefs: A Consideration of Zamir's Speciesist Liberationism

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本稿の目的は、功利主義や義務論と異なる、現実的でシンプルな動物倫理の議論を提出する可能性を検討することである。功利主義や義務論といった理論に基づいてなされてきたこれまでの動物倫理の議論は、種差別主義的と言える見解を排除し、人間と動物の平等性を強調することを目指してきた。それらの議論からは、人間の優先性を否定するという、われわれの直観に反する主張が導かれる可能性があり、そのことによって、動物への道徳的配慮の必要性を主張する議論が受けいれがたいものになってしまうという懸念がある。本稿では特に、文学研究者であり、動物倫理の研究者でもあるT. ザミールの議論を丁寧に追うことで、動物倫理の議論が直面する困難を回避し、われわれがすでに抱いている信念と合致する仕方で動物への配慮の必要性を論じる可能性を検討する。

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