書誌事項
- タイトル別名
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- ケン ノ コウカン カノウセイ カラ フジサワシュウヘイ ヒッシケン トリサシ ロン
- From the Exchangeability of the Sword: On Fujisawa Shūhei's Hissiken Torisashi
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説明
type:text
藤沢周平は、活動の初期から、武芸者を描いた作品を多数発表している。「隠し剣」シリーズは、そのような武術をテーマとする作品群の代表とすることができる。シリーズの一編である「必死剣鳥刺し」は、近年映画化されたように、時代小説がかつての勢いを失った今日でも、コンテンツとしての命脈を保つ作品である。しかし、本作の解釈にあたり、描かれた剣や武士道を考察する際の補助線として、外的情報を導入した場合、物語の破綻を余儀なくされる。主人公の倫理観や剣法は、作者が作品生成に利用していたという史料から得ることのできる武士のイメージや、それまでの時代小説で描かれた剣法観からは、逸脱したものと判断せざるを得ないからだ。しかし、作品を相対化し得る能動的な読みを、事前に回避する構造を本作は有しており、示された剣術流派の無名性や、三人称でありながら主人公の視線に寄り添う語りの方法に、その一端を見ることができる。
source:Studies on Humanities and Social Sciences of Chiba University
収録刊行物
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- 千葉大学人文社会科学研究
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千葉大学人文社会科学研究 23 (46)-(60), 2011-09-30
千葉大学大学院人文社会科学研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050007072211459584
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- NII論文ID
- 120007065110
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- NII書誌ID
- AA12170670
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- ISSN
- 18834744
- 13428403
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- NDL書誌ID
- 11272914
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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